Activity

活動内容

第78回日米学生会議の活動を大きく分けると、事前活動、本会議、事後活動の3つ分けられ、これらの活動は、春合宿に始まり、本会議を経て、報告会をもって終了します。

事前活動

5月の春合宿から8月の本会議までの4ヶ月間、実行委員を含めた71人の参加者が合宿や勉強会、フィールドトリップなどを通して分科会や日米関係についての理解を深め、本会議に向けた準備を行います。

春合宿

春合宿は、第78回日米学生会議最初の公式行事です。約一ヶ月半の分科会ごとに行われるミーティングを経て、28名の参加者と8名の実行委員が初めての顔合わせをします。日米学生会議の歴史と意義について理解を深めることを目標にするとともに、議論の練習を行います。最終日には、まとめとして各分科会が議論した内容を発表する場が設けられます。言うなれば、参加者にとって夏の本会議に向けて最初の一歩となる活動です。

安全保障研修

2025年5月に逝去されたジョセフ・ナイ氏の言を借りれば、安全保障とは「失い始めるまでその存在に気づかない酸素のようなもの」です。本プログラムは、主として日本の視点から安全保障を体系的に学ぶことを目的としています。第77回では、防衛大学校において教授による講義を受けました。さらに、防大生との交流を通じて日本を取り巻く安全保障環境と、それに対する日本の取り組みを学ぶ機会を得ました。第78回では、参加者が一から安全保障の基本原理を学び、複合的に変化する国際環境を多角的に捉える力を養うことを目指します。そのために、講義や討論に加え、安全保障の現場を訪問するなどの実地体験を通じて、より本格的な学びの場を提供します。本プログラムを通じた学びの積み重ねは、日米関係の根幹をなす日米同盟の理解を深化させる礎となることでしょう。

自主研修

日本側参加者による初めての対外研修であり、日々の分科会活動に向けた知識の吸収にとどまらず、本会議に向けて分科会を超えた交流を深め、参加者同士の相互理解を促進する場として位置づけられています。参加者は国内外の都市を有志で訪問し、歴史的・社会的背景を多角的に学ぶとともに、現地の人々や専門家との対話を通じて、地域が抱える現代的な課題や価値観の多様性を体感的に理解していきます。こうした実地的な学びを通して、参加者は自らの問題意識を広げ、国際的な視野と実践的な洞察力を養う貴重な機会としています。

※第78回会議の自主研修開催地は未定

【過去の開催地】
69回会議 : 沖縄県
70回会議 : 新潟県佐渡島・中華人民共和国
71回会議 : 広島県
72回会議 : 沖縄県
73回会議 : (新型感染症の流行により中止)
74回会議 : 福島県
75回会議 : 台湾・福島県
76回会議 : 韓国
77回会議 : フィリピン・福島県

フィールドトリップ

全体あるいは分科会のテーマに則して、施設や企業、史跡を訪れ、見識を深めます。第78回日米学生会議実行委員会による開催に加え、参加者自身による企画も期待されます。

事前勉強会

英語力や社会問題に対する理解など、参加者たちが本会議で必要となる知識をインプットすることを目的とし、プログラムやディスカッション、ディベートを行います。諸問題についての知見を深め、参加者同士で議論することにより相互理解を深めるだけでなく、本会議までの課題を確認します。また、参加者が分科会を超え幅広い話題に触れることで、視野を広げます。

直前合宿

本会議前に日本側参加者のみが集う最後の機会である当合宿は、主に本会議に向けた最終調整の場として位置づけられています。渡米にあたっての事務的な確認事項や米国文化への理解を深める活動を行うとともに、今後3週間のスケジュール発表や分科会ごとの準備も進められます。また、本会議に向けた相談会も設けられ、参加者はアメリカ側の参加者と対面で議論することへの心構えを整え、精神的な準備を行う場ともなっています。

本会議

第78回日米学生会議の本会議は、2026年8月2日(日)~8月23日(日)にかけて、アメリカの3地点(サンフランシスコ、ナッシュビル、ワシントンD.C.)を巡る形で開催されます。第78回日米学生会議のテーマに基づいて各都市でプログラムが企画され、さまざまな議論が繰り広げられます。また、会議中の基本的な使用言語は英語です。分科会以外でも、同年代の学生である参加者が個々の関心に沿った議題を自由に設定し、多角的な議論を行うことを目的としています。さらに、参加者の主体的・自発的な参加により、問題発見能力や議題設定能力を養うのみならず、参加者同士の交流を促し、新たな視点や発想を得ることで、会議をより充実させることが求められています。

分科会

幅広い分野にわたる7つのテーマに基づき、実行委員2名を含む日米各5名、計10名の学生によって構成されます。参加者は定期的なミーティングを通じて議論を深めるほか、各々の関心に沿った勉強会を企画・開催し、分野の最前線で活躍する専門家や企業、関連施設を訪問するなど、主体的な事前活動を行います。本会議中は、最終フォーラムでの発表を見据えて議論を重ね、テーマへの理解を深めます。さらにフィールドトリップを通じて実際の現場に触れることで、知識だけでなく現実に即した視点を持ち、より実践的かつ多角的な議論の展開を目指します。こうした経験を通じて、参加者は自己成長を図るとともに、学びを社会に還元することを目指します。

フィールドトリップ

各トピックへの理解を深めるため、参加者自身が主体となって企画・実施するフィールドトリップでは、政府機関や企業、大学、研究所など多様な現場を訪れます。第一線の専門家との対話や、生の声に触れる経験を通じて、多角的な視点と気づきを得ることができます。これらの訪問は事前研修から本会議中まで継続して行われ、分科会での議論を現実に根ざしたものへと導きます。机上にとどまらない学びを自らの手で築き上げるこのプロセスは、柔軟な思考力と社会的視野を養い、参加者の成長にもつながります。

リフレクション

日米の参加者全員で円を組み、三週間の共同生活の中で分科会における議論や普段の会話から生まれる気づきや葛藤、悩みなどを自由に共有します。思考や感情を整理する時間を設けることで内省を促し、また全員の前で共有することで他の参加者との信頼構築や相互理解を促します。内省とともに他者の思いを理解することにより、参加者に会議の充実や円滑な運営のために努力していく姿勢が生まれる重要な意思共有の場となっています。

ファイナルフォーラム

最終開催地において開催されるファイナルフォーラムでは、第78回日米学生会議における本会議までのすべての活動の総括として発表を行います。専門家や有識者の方々の前で、学生自らが設定した社会が抱える課題について長期間にわたる議論の成果を披露し、学生なりの視点や見解を提示します。成果発表の場でありながら、参加者一人一人の人生において日米学生会議での経験や学びを自らの中で再定義する契機となります。

事後活動

報告書の作成

参加者全員で執筆を分担し、会議の全容と成果をまとめます。報告書には日本側参加者が作成する和文報告書と米国側参加者による英文報告書があります。当該報告書は参加者を含め、ご協力頂いた関係者に配布し、会議の学生たちが「共に考え抜いた」 1ヵ月の成果として広く社会に公表します。

過去の報告書はこちら

成果の長期的還元

「気付き」の場にもなる日米学生会議は、本会議終了後も各参加者に大きな影響を残していくと思っております。本会議や報告書の発行を終えた後も、各参加者はその後の生活の中で、この会議において獲得した成果を社会に還元していくことを期待しています。