"Question, Engage, Build : Collaborative Effort to Make a Difference"
知ることから創ることへ~ 対話と挑戦から共に描く未来 ~
日本では近年、若者が「受身」になってきている現状が危惧されている。日本人の海外留学生の数は、10年前のわずか3分の2に減り、若い世代の興味が外から内へと推移していることが明らかである。しかし、日本と他国の相互依存関係はますます深まり、言語、文化、生活習慣等が異なる社会で、確固たる自分を持ち、グローバルに活躍できる人材が求められている。こうした中、我々学生が担っていくべき役割とは何なのであろうか。
日米学生会議は日米両国から志の高い学生を集め、1ヵ月という時間をかけて自らの役割を模索し、その実現に向けて第一歩を踏み出すことを目指した会議である。
第二次世界大戦終結から65年、日米の役割は安全保障問題や経済問題など多方面で世界における重要性を増している。自衛隊と米軍との連携の強化はアジア諸国からも大きな注目を集め、またTPPやFTAの締結により日本が市場開放を図り、他国との経済連携を推進することが期待されている。しかし、沖縄の米軍基地移設問題や、自由貿易化の流れの中でいかに国内産業を強化し、日本経済を再生するかなど課題も多い。
そのような中開催される第63回日米学生会議では、歴史から学べる点をどのように未来に活かすのかということに重点を置く。過去を振り返り反省することも大切だが、最大の課題はその反省をどのように今日の課題に活かし、新たな未来を創っていくのかである。
参加者は本会議の事前活動を通し知識を深め、背負う肩書きがない学生同士、心をさらけ出して議論をする。価値観の対立や言葉の壁に挑戦しながら、自分自身の考えを整理し、我々を取り巻く多様な問題に対する解決策を学生の視点で協議することができる。また、本会議を終えても引き続き海を越えた仲間とどのように変革を起こし、未来を切り開くのか追求していく。議論の中での対立を乗り越え、自分の意見を「自分たち」の意見へと再構築できたとき、また、仲間を思いやることを通して自分を見つめ直すとき、参加者は自らの成長を実感することができる。短時間では解決できない問題が混在する今日、我々学生が両国の一翼を担い、切磋琢磨しながら将来を見据えた腹蔵ない対話をする意義は大きいと確信している。この会議を通し、参加者一人一人が様々な衝撃を受け、好奇心と向上心を持って常に挑戦し続ける者となることを期待している。